洋食器の話 ちょっと変わった洋食器に関するお話をご紹介してゆきます。ユーロクラシクスオリジナル! |
バックナンバー |
VOL.10 フランスに文化を運んだカトリーヌ妃 |
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フランス料理というとテーブルの上に整然と皿やグラス、カトラリーが並び、厳格なテーブルマナーが・・・とつい、想像してしまいます。でも、日本では8世紀(奈良時代)に箸を使うようになったのに対し、フランスでフォークなどのカトラリーを使用するようになったのは16世紀になってからだそうです。1533年10月2
0日、イタリアフィレンツェのメディチ家カトリーヌが、フランスのアンリ2世の王妃に迎えられた際、14歳の彼女はイタリアから料理人、菓子職人、酒造業者など食のプロ集団を連れてきました。この際カトラリーも持ち込まれました。16世紀、ヴェルサイユ宮殿の太陽王、ルイ14世も、なかなか手でたべる癖が抜けなかったといいます。 数ある料理の中でとりわけフランスの人々を驚かせたのはシャーベットだったそうです。なんとメディチ家の城には、(日本の氷室にも匹敵するような!)ノルウェーから運んできた氷を1年中保管する地下室があったといいます。もちろん電気もない時代です。 |
VOL.9 磁器質の違い |
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ヨーロッパで最初に陶磁器の開発に成功したのはマイセンでした。東インド会社を通じて東洋から入ってくる美しい白磁は、その当時の人々のあこがれであったとともに、外貨獲得の手段でもあったそうです。どの窯も錬金術師をやとい秘密裏に開発をさせ、成功するとその情報が漏れないようにと幽閉さえしました。それゆえ、窯ごとに土の質や製法が異なってます。 白磁の美しさに定評のあるマイセンですが、初めて白磁焼成に成功したベドガーが作ったベドガーせっきというものも存在しています。また、100年以上前のアンティークの地をご覧頂くと、黒点があったり、現代のものと地色が微妙に異なったりと、その技術は向上しているようです。 マイセンではカオリンを含んだ土を探し出したことで美しい白磁を手に入れることができましたが、皆さんご存知のウエジウッドは牛骨(だからボーンチャイナなんですね)を混ぜる事で強くて美しい白磁を完成しました。 日本で人気のロイヤルコペンハーゲンにも変化が見られます。店頭で接客用に50年程前のフローラダニカのカップを使っているのですが、現代のものよりも青みを帯びた地になっています。ダニカの場合は絵付けの絵具も変化しており、100年以上前のものより淡い色使いになっています。 同じようにヘレンドも復刻で青みを帯びた地色の作品をご紹介したことがございます。白磁を作り出すというのは非常に難しいのでしょう。 ある有名なヨーロッパの窯に絵付けの方用に白磁のカップを出荷して頂けないかと問い合わせた所、いくつも焼いた中から、黒点など問題の無い美しいものだけを選び出さなければならないので、高額になってしまうとの返事をもらったことがあります。お客様としては絵がないのだから、安いのは当然と思われるかもしれませんが、作り手にとっては大変な注文になってしまうようです。 |
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マイセン ウェッジウッド ヘレンド | ||
![]() 茶色のソーサーがベドガーせっき/マイセン |
![]() ウェッジウッド/白磁 |
![]() ヘレンド 左の青みがかったのが昔の地色 現在は右の白磁です |
VOL.8 コペンハーゲン、マイセン、オリジナルはどちら? |
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![]() マイセン/麦わら菊 |
![]() ロイヤルコペンハーゲン ブルーフルーテッド |
■ブルーフルーテッドと麦わら菊■ ブランドが違うのに絵柄がとっても似ているものが多いですが、この麦わら菊もそのひとつです。左の写真も一見するだけでは、ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドに見間違えませんか? Vol.2のインドの華の項でもお話しましたが、もともとは東洋絵皿の写しです。この唐草(繁栄を象徴してるおめでたい文様です)ももともとはマイセンで誕生しました。マイセンの麦わら菊は1740年頃に生まれました。2000年に世界限定で復刻され、最近では海外では量産品として発売されております。 この他にも、リチャードジノリの手描きで有名なカポデモンテもオリジナルはマイセンです。(現在は製造してませんが・・。) |
VOL.7 アルコールを楽しむためのグラス |
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アルコールをこよなく愛する方(特に男性に)、ワインやブランデーなどを楽しむためにデザインされたグラスをお探しに来られる方が多くいらっしゃいます。 有名なところでは、よくCMなどででてくる顔が隠れるくらいの大きさのあるワイングラス(リーデル/ソムリエシリーズ)でしょうか。ワインごとに形がデザインされており、非常に沢山の種類があります。このリーデルは、洋酒に限らずなんと大吟醸用のグラスまで作っています。 また、バカラというとカットやエッチングが有名ですが、ロマネコンティやサンテミリオンなどそのお酒を十二分に楽しめるように作られているものもございます。泡が一筋に立ち上るドンペリニオンのシャンパンフルートも大変人気がございます。(シャンパンを冷やしすぎて泡が立たないということがないようご注意下さいね。)不思議ですが、お手頃価格のワインも大きなグラスでクルクル廻しながらゆっくりと味わうと美味しい・・。ミラクルです。 |
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バカラ/グラス | |||
![]() ロマネコンティ/ワイングラス(22.5cm) |
![]() サンテミリオン /ワイングラス(24cm) |
![]() ドンペリニオン/シャンパンフルート |
VOL.6 マイセン人形の不思議 |
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![]() マイセン/シュトラング天使楽隊人形 |
同じマイセンの人形を並べてみて、衣装や周辺の小物の色や柄が違っていると気が付いたことある方、いらっしゃるかと思います。古典的な愛らしい(そして高額な!)マイセンのお人形の衣装の柄は、数タイプのパターンのうちどれにするかまたどのような色使いにするかは、担当したペインター次第です。そのため、同じ品のはずなのに、印象も違ってきます。 最近のものでは、シュトラング氏の手捻りの人形が人気です。こちらも手作りですので、1体づつ表情やサイズが異なります。古典的なものと比較するとお手頃なお値段ですし、動物の表情も豊か!一度氏の人形の魅力に取り付かれるとやめられません。ぜひHPチェックもご覧ください。 |
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マイセン/トップ |
VOL.5 洋食器に描かれる花々 |
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洋食器にはお花が描かれているものが大変多く見受けられます。窯によって絵柄も様々です。コペンのフローラダニカはオリジナルはロシアの女帝エカテリーナのために製作されたもので、「デンマークの花」という意味、そのため日本でいう高山植物のような野草が多く描かれております。ダニカの裏には花のラテン語名が記載されているというのも、人気の秘密かもしれません。 アウガルテンも土地柄か清楚な花がモチーフになっていることが多いです。特に有名なウィンナーローズは12種類からなるウィーンフラワーのひとつ。日本ではなかなかそこまで紹介しているお店はないようですが、ウィーンフラワーのカップを1客づつそろえるというのも、きっと素敵でしょう! 最後にヨーロッパ一番の歴史をもっているマイセンの花は、多くの種類があります。花の指定なしでオーダーするとアスターが多いようですが、お花の種類と色を指定して描いてもらうことも可能です。(例えばバイオレットのすみれなど)。マイセンのフラワーのページにて描いてもらえる36パターンをご紹介しております。また、時代とともに人気の花や新種の果物など増え、新柄もでてきているようです。最近ではキウイ、パイナップル、バナナなども。フルーツもマイセンフルーツのページにて色々な映像をご紹介中です。ペインターも日々精進?なのでしょうか。 |
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ロイヤルコペンハーゲン アウガルテン マイセン/フラワーシリーズ マイセン/フルーツ | |||
![]() ロイヤルコペンハーゲン フローラダニカ |
![]() ロイヤルコペンハーゲン フローラダニカ |
![]() アウガルテン/ウィーンフラワー ウィンナーローズ |
![]() マイセン |
VOL.4 アウガルテン限定プレート |
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様々なブランドがイヤープレートやミレニアムプレート(φ23cm)を発売しておりますが、最も知名度の高いのはなんと明治時代からの歴史があるロイヤルコペンハーゲンでしょうか。その年だけの生産ですので、バックナンバーの人気の年はプレミアがつき高価になっています。 イヤーズは集めだすととまらなくなってしまうもの・・、お薦めなのが1997年から発売されているアウガルテンです。イヤーズは定価\100,000-、ミレミアムは\150,000-と高価ですが、限定販売で裏には通し番号がふられております。絵柄も大変豪華です!絵柄もモダンな感じで、他のイヤーズとはかなり異なります。 右下の写真の世界限定200枚のミレニアムプレート「期待」、日本でも人気の高いクリムトの絵柄、ストックレ邸(ベルギー)の内装に描かれているものです。イヤープレートも妖艶なクリムトの作品です、要チェック! |
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アウガルテン | ||
![]() アウガルテン/1997年 イヤーズプレート(初年度) 「モダンダンサー」世界限定365枚 |
![]() アウガルテン/1998年 イヤーズプレート「チューランドット」 世界限定365枚 |
![]() アウガルテン/2000年 ミレニアムプレート「期待」 世界限定200枚 |
VOL.3 幻のドルフィンたち |
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ヘレンドのシノワズリのシリーズでは写真のドルフィンや唐子、トカゲなど・・、こころなごます不思議なものがあしらってあります。今回はその中でもドルフィンにスポットを当てました。窯によってそのデザインも様々。 ぼてっとした、リッチそうなヘレンドのドルフィンに比べ、右側のマイセンのものはとってもキリっとしたシェイプです。このスワンサービスはマイセンの造型の基本を作ったといわれるケンドラー作です。 マイセンのブルーオニオンやピンクローズなどでも、持ち手部分がスワンのカップやポットもあるんですね!かわいいですよ。 |
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ヘレンド マイセン | ||
![]() ヘレンド/ポワソン |
![]() マイセン/スワン |
![]() マイセン/スワンハードル |
VOL.2 マイセン ヘレンドのインドの華(インドの花) |
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もともと西洋の磁器は日本や中国の美しい磁器を真似て作ったことからこの名が付いてます。当時東洋の白磁は大変な価値があったそうです。右上のマイセンをご覧下さい、日本の柿右衛門の図柄にそっくりですね!そっくり真似ることからはじめたのですが、だんだんとその窯独特の文様へと変化定着して今にたどりついてます。 マイセンとヘレンドを比較するとヘレンドの方が、よりオリジナルの絵柄に忠実です。(ちなみにアポニーグリーンはインドの華のポイントをとったもの、アポニー公爵という方が急に来賓用のディナーセットを注文してきたためにヘレンドの代表的なインドの華の図柄をモチーフに作られたものだそうです。) なぜ東洋の華ではないのでしょうか?当時磁器を運んでいたのが東インド会社(歴史の時間を思い出しますが・・・)だったからだそうです。 |
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ヘレンド マイセン | |||
![]() マイセン/インドの華 ピンク 色違いもあります |
![]() マイセン/古インドの華 |
![]() ヘレンド/インドの華 |
![]() マイセン/柿右衛門 |
VOL.1 ブルーオニオン(青い玉ねぎ柄) |
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数多くのブルーオニオンが出ていますがオリジナルはマイセンのもの(1739年)です。ザクロ、桃、竹、菊が描かれているのですが、右のプレートのリム部分のザクロが玉ねぎ(コバルトブルーの)からこの名が付いたと言われています。 フチェンロイターやカールスバードなどのプリントのブランドと異なり、手書きのマイセンのものはひとつひとつの絵柄、色合い等が微妙に違っています。竹の根元とプレートの裏に双剣のマークが入っていることから、どなたでも簡単に見分けられます。 でも良くみると、写真に「寿」という文字が見える気がしませんか?漢字を描いたわけではないでしょうが、図らずも更におめでたい図柄になっているのです! |
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マイセン/ブルーオニオン マイセントップ |
洋食器の話 ちょっと変わった洋食器に関するお話をご紹介してゆきます。ユーロクラシクスオリジナル! |
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