VOL.21 縁起の良いドラゴンのモチーフ |
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竜は鳳凰、麒麟などとともに知られる伝説の動物です。鋭い爪を持ち、巨大な蛇の形をしており、天や水を支配していると言われてきました。そのため、雨神様、水神様として今でも祭られている地域も多く、伝説も数多く残ってます。また、12支にもなっているため竜(辰)という動物に強く惹かれる方が多いのも事実ではないでしょうか。中国では君主の象徴、力を現しています。 さて、西欧ではどうでしょうか?古代ギリシア・ローマ時代、そしてキリスト教にもこの動物は登場します。西欧ではどちらかというと悪の象徴、聖ゲオルギウスが竜と戦う絵画など、ご覧になった経験のある方は多いことでしょう。 |
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![]() オレンジドラゴン |
![]() オレンジ/明朝ドラゴン |
東洋の陶磁器に習って発展したマイセンですので、当然この竜の柄は存在します。左のオレンジの体が長い竜はマイセンが誕生した当時の王のために作られた柄と同じです。現在はこのオリジナルのオレンジの他にも、グリーン、イエロー、ブラック等々さまざまな色があります。ちなみにお皿の縁に長く描かれている竜が皇帝、真ん中に対に描かれている鳳凰が妃をあらわしていると言います。この竜はパターン化されています。 右の中華風のものは明調ドラゴン。写実的に描かれているものです。こちらは大陸の方に人気があるようです。色目も写真のようにたくさんございます。色違いでそろえると大変華やかで美しいです! |
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![]() ピンク |
![]() ブラウン |
![]() ブルー |
![]() コバルトブルー |
![]() グリーン |
![]() バイオレット/明朝ドラゴン |
![]() バイオレット/明朝ドラゴン |
![]() ブラック ティー/明朝ドラゴン |
近年のマイセンの作家によるドラゴンも魅力的です。魅惑的な楽器を奏でる女性とともに描かれているドラゴンはいずれも現代マイセンを代表する5人組のハインツ・ヴェルナー氏の作。左は今も作られている陶磁器、右がヴェルナー氏自身の手による1点ものの水彩画です。 日本人にとって、大変縁起の良い柄である竜、ぜひ他の窯のものも観察してみてください。ヘレンドなどでも日本向けのイヤーズプレートしてでております。 マイセン/ドラゴン |
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VOL.14 生活環境の違い?狩猟シリーズ |
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海外では長いバケーションを自然豊かな湖畔などで楽しむ国も多いです。うらやましいなと思っている方も多いのではないでしょうか。そんなハンティングロッジなどで使用するのに最適な動物や魚柄のシリーズを多くの窯が製作しています。 写真でご案内しましたのは緻密な筆さばきで描かれているマイセンのワイルドアニマル、アラビアンナイトなどの絵で有名なヴェルナー氏デザインの狩人のシリーズです。また、あまり知られてませんがアウガルテンやヘレンドでもこのようなシリーズがあります(ご興味ある方は店頭の本で確認できます)。こんな絵柄からも文化の違いを感じます。 マイセン/野生動物 |
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![]() 猟師のほら話/マイセン |
![]() 鹿狩り人形/マイセン |
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![]() 野生動物 うさぎ/マイセン |
![]() 野生動物 /マイセン |
VOL.13 食器に描かれる昆虫 |
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ヨーロッパの食器に描かれる蝶々は日本でいう蛾のような蝶々が多いようです。また、昆虫が描かれるということも多々あります。例えばヘレンド/ロスチャイルドバードでは鳥とともにその餌となる昆虫がカップの中にまで描かれており、好き嫌いが二分するシリーズです。 また日本では秋の風物詩としてよく描かれるトンボですが、ヨーロッパではその容貌・生態からかあまり良い印象がないようです。国によりますが「ドラゴンフライ、悪魔の針、水の妖精・・」などと呼ばれてます。そのため、とんぼをテーマにした作品は少ないです。 西欧発トンボで日本人にお馴染みなのは、19世紀後半〜20世紀前半に活躍したエミール・ガレの作品でしょうか。自然豊かなフランスナンシーで育ったガレは、日本美術に出会いアールヌーヴォー(新しい芸術)を生み出しました。それ故、トンボだったのかもしれません。 ヘレンド/ビクトリア ロイヤルコペンハーゲン |
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![]() ヘレンド/ヴィクトリア |
![]() サマーナイトドリーム /ロイヤルコペンハーゲン |
![]() ヘレンド/ロスチャイルドバード |
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日本人に人気のロイヤルコペンハーゲン、19世紀後半のデザイナーアーノルド・クロも日本の浮世絵などに影響を受けサマーナイトドリームなどをつくりました。左はオリジナルのもので、トンボが上絵つけされてます。また、今はコペンに統合されたビングオーグレンデール社も、アールヌーヴォーの素敵な作品を数多くつくりました。日本人魂をくすぐる作品です。 マイセン/バード昆虫 |
![]() FFフラワー/マイセン |
VOL.12 ヨーロッパに根付く薔薇の花 |
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ヨーロッパの食器によく見られるバラのシリーズ。中世から薔薇は愛や純潔の象徴だったからでしょうか、王侯貴族の紋章としてもよく使用されました。13世紀、ヨーロッパ知識人必読の書とされていた「薔薇物語/正編ギョーム・ド・ロリス、続編ジャン・ド・マン著」という本があります。(日本では1995年に横尾忠則氏の美しい装丁で完全訳本が発売されています。)夢物語の形式を用いて、薔薇(意中の女性)への愛の喜びや苦悩を寓意的に表現している作品です。この書から、薔薇に対するイメージ、価値観も定着していったそうです。後にこの物語にインスピレーションを受けた多くの作品が世に生まれました。 例えば写真にある薔薇物語の大型タピストリーは、ラファエロ前派の作品です。薔薇の花の中に美しい女性が眠っています。陶磁器にも薔薇をキーワードにした作品が数多くあります。マイセンのいばら姫のプレートはH.ヴェルナー氏の作品です。王様とお后様の眠るお城の上の階を見ると、眠っているお姫様を起こそうと近づく王子が描かれています。(一番手前、城の外では犬も横たわって眠ってます!) マイセンイヤーズの童話をご紹介 マイセンイヤーズプレート |
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![]() バーン・ジョーンズ/ウイリアム・モリス 薔薇物語(1890年頃)タピストリー135×176cm 薔薇の花の中に女性の顔が織り込まれてます |
![]() いばら姫/マイセン(城全体が薔薇で覆われてます) |
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日本人に特に知名度の高いバラは、ヘレンド/ウィーンのバラでしょうか。ハプスブルク家は代々ローズをモチーフにしたディナーセットを有し、バラは御用達の絵柄でした。他の人たちはバラの食器を使えなかったわけです。しかし13世紀以降絶大な力を保持していたハプスブルク家も700年後、第一次大戦で王位を去り、万人がこのシリーズを楽しめるようになりました。同じように、アウガルテンのオールドウィンナーローズも1744年窯がマリアテレジアの命によりハプスブルク家直属の窯となった頃から伝わっているシリーズです。 銀器でも薔薇のモチーフは人気があります。ドイツ・クリストフ・ウィドマンの「ヒルデスハイムローズ」はアンティークのような繊細なシリーズです。この薔薇のお話も魅力的です。ドイツ北部、ヒルデスハイムという町の教会に世界最古の薔薇と伝えられる樹があるそうです。西暦815年から生えているいるともいわれているその木は、まるで重厚な聖堂を守るかのように外壁を伝い、屋根に届かんばかりに広がっています。薔薇物語やいばら姫にでてくる城を被い尽くす木々のようなこの薔薇は、千年薔薇とも呼ばれていました。しかし1945年の爆撃で町の約9割を失った際、この薔薇も燃えてしまいました。ところが、翌年消えてしまったと思われていた薔薇は芽生え再生し、町の人々を力づけたといいます。 一輪の薔薇ですが、その背景には多くの魅力あるお話をもっています。それ故今も絶大な人気があるのでしょうか。 |
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![]() ヒルデスハイムローズ/クリストフウィドマン ウィドマンのページ |
![]() ヘレンド ウィーンのバラ ヘレンドのページ |
![]() アウガルテン オールドウィンナーローズ アウガルテンのページ |
VOL.12 中世の時とう書をお手本にした12星座シリーズ |
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ヘレンドの手描きのシリーズの中でも高額ライン、12星座を描いたフレミッシュカレンダーというカップがあります。鈍い金彩の楕円カップには1〜12月それぞれの星座と月々の人々の生活が中世のフランドルのような細密画で描きだされてます。 14世紀後半、フランスのベリー公(お兄さんはカールX世)は芸術を愛し、お祈りの書をランブール兄弟に描かせた「ベリー公のいとも豪華な時とう書 Les Riches Heures de Duc de Berry (シャンティ、コンデ美術館蔵)の本があるのですが、大変カップの絵に似ています。調べてみたら本当にこの書に描かれている絵をモチーフにつくられたことがわかりました。彩飾祈とう書にはベリー公が所有してる城と各月ごとのその当時の人々の生活をテーマにしたものに加え、占星学やキリストの教えが描いたかれています。写真でもおわかりかと思いますが、まさにこれら細密画を写し取ったようです。この絵は15 0年のちのフランドル画家ブリューゲルにも影響を与えたそうです。12種類のカップの絵柄等は店頭の本でご覧頂けますのでご興味有る方、お声をおかけ下さい。 ヘレンドのページ |
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![]() ![]() フレミッシュカレンダー/ヘレンド 星座の絵とその月の生活の絵が描かれてます |
![]() ベリー公のいとも豪華な時とう書より |
VOL.27 ヘレンド/アポニーシリーズの小花 |
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ヘレンド人気のシリーズ、アポニーグリーン。メインの柄の他にカップの裏などに小花が描かれてますが、この小花6柄ございます。プレートの周囲に描かれているのがその6柄です。裏の小花指定での注文は出来ませんが、気がつかれないところでちょっとした遊び心・・。発見した時、ちょっとだけうれしくなってしまいました。 | |
ヘレンド/アポニーグリーン | |
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![]() アポニーといえばこの柄ですが |
![]() カップの裏側には6種類の小花が隠れてます |
VOL.20 ディズニーでもお馴染みのゲーテの作品 |
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こちらはドイツの文豪、マイセン、ゲーテの影絵プレート。マイセンでは、このような音楽家や文豪の記念プレートを幾つか限定販売しております。 文学というとなにかとても難しいように感じますが、リメイクで知っているものも実はたくさんございます。ゲーテのバラード作品、「魔法使いの弟子」はディズニーのフィルムでご存知の方も多いのですはないでしょうか。ミッキーマウスがあの魔法使いの帽子をかぶり、師匠の留守中に箒に魔法をかけ水汲みをさせる。部屋に水がいっぱいになってしまったので、箒の動きを止めようとするが、もとの箒に戻す魔法がわからない。そこで斧でわるが、箒はたくさんになって、水汲み続けてしまう・・・。 思い出しませんか? マイセン/陶板、飾り皿 |
![]() マイセン/ゲーテ |
VOL.19 カップやグラス、銀器のお手入れはどうしてるの? |
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■カップについてしまった茶渋 普段きれいにあらっているつもりでもふと見ると、カップの底に茶色のシミがついていることございませんか。お手ごろ価格のカップなら漂白してガリガリ洗ってもよいですが、マイセンやヘレンドなどになるとなんか気が引けてしまいます。こんなときはカップに少々の漂白剤の液を入れてくるくると回すと、数秒で汚れが落ちますので、直ぐに洗い流しましょう。また、底が絵付けのない白磁のものでしたら、ドラッグストアなどで販売している洗剤の要らないスポンジ(細かい繊維のスポンジで汚れを掻き落とします)でこすっても手ごわい汚れも簡単に落とせます。 ■クリスタルの輝きがなくなったときには 飾っておくとほこりがついてバカラの素晴らしい輝きがなくなることがございます。こんなときはレモンなどでこすってから洗ってみてください。もとの輝きがもどります。 ■黒ずんでしまった銀器 カトラリーなどは小まめに使えば、逆にお手入れが簡単です。時々棚の奥からだすので、驚きも大きいのでしょう。なるべく黒ずみを防ぐ方法や、クリーナーの使い方などご紹介しているページを作りましたので、ご参照下さい。 クリストフル/クリーナー各種 クリストフル/お手入れ方法 |
![]() クリストフル 銀器クリーナー |
VOL.18 マイセン幻影「1992年の映画」 |
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マイセンを堪能できる作品といえばこれでしょう!マイセン陶磁器に魅了されたウッツ男爵のお話で、映画にはマイセンから提供された1000を超える作品が提供されてます。猿のオーケストラ、ヘンチェルの子供たち、パゴダ、イタリアンコメディ等、部屋中に置かれているお人形の迫力は一見の価値があるかと思います。 写真は、シュトラング氏が製作したウッツ男爵の人形です。イタリアンコメディーの人形をテーブルで楽しそうに動かしてます。(このような場面、映画にもありますよ)。 マイセンお人形のファンの方、必見の映画です。イギリス、イタリア、ドイツ合作映画/1992年。 マイセン/ペーター・シュトラング人形 |
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洋食器の話 ちょっと変わった洋食器に関するお話をご紹介してゆきます。ユーロクラシクスオリジナル! |
バックナンバー |
VOL.23 マイセン/ヤコブの梯子 |
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マイセンのプレートには、キリスト教をテーマにしてもの、ヨーロッパ各地の風景など多種多様なものがございます。こちらは、マイセン1900年代初頭のプレートで「ヤコブの梯子」。旧約聖書、創世記第28章。ヤコブがイザクから祝福を受けイスラエルの地に旅をした折、ある地で石を枕に寝ていると、夢に天と通じる階段が出てきて天使が上がったり降りたりしていた。ヤコブはここが天国の門だと知り、神に祈り、ここにイスラエルを作ったといいます。 「ヤコブの梯子」は夢のアレゴリーとなっております。ヨーロッパなどを旅行して、雲間から光が差し込む景色をご覧になった経験がある方も多い事ではないでしょうか。普段宗教に馴染みがなくとも、歴史あるヨーロッパの風景な中で天から差し込む光を見ると、何か神聖な気持ちになってしまいます。この雲から差し込む光のことも、「ヤコブの梯子」または「天使の梯子」とも呼ぶそうです。 宗教のテーマを忠実に絵にしているこちらの作品、大変魅力的です。この他にも伝説などをテーマにしたマイセンプレートが多数ございますので、絵からその謎解きをするのもひとつの楽しみ方。ぜひ挑戦してください。 |
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マイセンイヤーズの童話をご紹介 マイセンイヤーズプレート |
![]() アッシジ/イタリア 中央が聖フランシスコ教会姫 |
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VOL.22 安いから2級品?というご質問にお答えします |
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お品物によっては日本の価格よりもかなりお安くなっているので、B級品(2級品)ではないかというお問い合わせを極まれにですが、お受けします。基本的に1級品の新品を販売しており、2級品につきましてはその旨HPにも明記しておりますので、ご安心下さい。 マイセン、ロイヤルコペンハーゲンのものは、現地で2級品が販売されてます(1級品より若干お安い程度の価格です)。ほんの少し、絵の具のとびがあったり、反りがあったりするものが2級品とされていることが多いですが、どこが悪いのか探さねば分からない程度の良品も数多くございます。日常使いには十分なお品かと思います。これらは裏のブランドのマークのところにスクラッチ(引っかき傷)が入れられ市場にでております。(絵の具で書いている線はこのスクラッチとは異なります。) さて、1級品として入荷したものは問題がないか?というと、そうでもありません。マイセン、ヘレンドなどペインターが絵付けしているのですから、柄が微妙に異なります。バカラは手作りですので、同じシリーズのグラスを並べてみると厚みや高さがちょっとづつ異なります。これらは手作り故なので、個性でもあるのですが、日本の方は特にチェックが厳しいようです。イタリアなどおおらかな国の方はOKなものも、日本ではOUTということも・・・。 また、箱がないから2級品かという質問も時たま受けますが、日本の代理店で箱を作っていることがほとんどですので、箱がないのが普通とお考え下さい。(バカラはトレードマークの真っ赤な箱付きですが。)大丈夫、裏にスクラッチがないか確認下さい。なければ、1級品と考えて大丈夫かと思います。 保証書はつかないかというご質問もございますが、マイセンの場合、限定品やウニカート(1点もの)など特別な作品以外は保証書はついてません。裏に描かれている双剣マークこそがマイセンである証です。 マイセン陶磁器の見分け方 マイセンの歴史 |
VOL.16 なぜか気になるグロテスクな怪物たち |
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ロイヤルコペンハーゲンのフルレースシリーズや、マイセンなど、時折グロテスクな顔がポットの口元などを飾っていることがあります。厳しい顔から推測し、どうやら天使ではなさそうです。他にも例えばウェッジウッドのフロレンティーンターコンズでは伝説の動物大きく口を開けたグリフィンが描かれてます。食器についているこれらの異形の怪物たちはどこから来たのでしょうか?おそらくキリスト教、教会装飾からだと推測されます。 昔ヨーロッパでは城壁の一歩外に出れば命の保障もない森が広がってました。このころの人は神と同時に悪魔や天使も信じてたといいます。文字を読めない人々に教えを説くために活用されたのが、教会内陣や入り口に施された装飾や、ステンドグラスで綴られた聖書でした。 パリのノートルダムの教会に登った経験の有る方、屋上の樋が怪物の彫刻だったの覚えていらっしゃいますか?ちょっと怖いけれど憎めない怪物がずっとパリの街を見下ろしているなんてちょっと素敵です。 同様に印刷技術がなかったころ羊皮紙に写本していった聖書にも怪物たちが戯れているのが見受けられます。今よりもずっと宗教が生活に根ついていた時代なごりでしょうか、教会を抜け出し、家具や食器など生活の道具にまで伝播したのではないでしょうか。 |
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![]() マイセン/ポットについた顔 |
![]() ウエジウッド/フロレンティンターコイズ |
![]() ノートルダム教会 パリを見下ろす怪物像 |
VOL.15 マイセンバックスタンプ |
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マイセンのバックスタンプは時代とともに変化してます。アンティークなどをご覧になるときには皆さんこのスタンプをまず確認なさることでしょう。バックスタンプを見て、こんなに古い物か!と驚くことも。ぜひお手持ちのものチェックしてみてくださいね。 マイセン陶磁器の見分け方 マイセンの歴史 マイセン飾り皿等 |
![]() バックスタンププレート/マイセン こちらは現在は製造されてない手描きのものです |
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![]() マルコリーニが工場長だった時代の物 (1 800年頃)は双剣マークの下に★が描かれてます。 |
VOL.25 マイセン/仕掛け人形パゴダのお話 |
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最近ではテレビなどでもお馴染みになったパゴダ人形。パゴダは中国の神の坐像の形をした香炉、または小像で、マイセンでは1720年以降作られました。1760年プロシアのフリードリッヒ2世が10個のパゴダを注文して、ケンドラーが型をつくったといいます。男女がいて、こちらは男性。頭と両手が動くのが特徴。その後、各地の窯で模倣され多くのパゴダが製作されていますが、造形、絵付けともにマイセンのものは大変に美しいです。体全体に花模様の美しいペイントがなされております。 胴体と頭の部分がわかれていて、頭がゆらゆらと動くと、舌がでて、両手もひらひらと動きます。まるで福を呼ぶように、ゆらゆらと動きます。陰と陽を表現している男女神がおり、現在ではそれぞれ3サイズが製作されてます。 |
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マイセン/パゴダ人形 | |||
![]() マイセンパゴダ 男性神 |
![]() マイセンパゴダ 女性神 |
![]() マイセンパゴダ 女性神 |
![]() マイセンパゴダ 男性神 |
![]() ドレスデンパゴダ 女性神 |
![]() ドレスデン パゴダ |
さて、ブルーオニオンの時と同様、マイセンのこのパゴダ人形にそっくりなものも他の窯で多数製作されました。ドレスデンのパゴダは今も目にする機会が比較的高いかと思います。本当によく似ている絵柄ですが、やはりドレスデンの絵付けですので、マイセンとはちょっと質感が異なります。比較しても面白いかと思います。ごくまれにですが、マイセンのパゴダと信じて、ドレスデンのパゴダが売られていることも・・・。特に新しいものでない場合は、購入前にぜひ裏の双剣マークがあるかチェックしましょう! |
VOL.26 マイセン/フラワーの描きかたの違い |
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マイセンのフラワーモチーフは大変人気があります。基本の絵柄は36パターンあり、それぞれに色違いがあります。三ッ花、五ッ花などはこのベーシックフラワーをモチーフにしてます。 同じフラワーを描くのでも、自然主義の描きかたですと、ペインターに手間と技術が要求されます。同じピンク色の野ばらと忘れな草ですが、描きかたで印象が違ったものとなっているのが、写真でお解かり頂けるかと思います。自然主義の手法で描かれてたすずらんも大変清楚で美しいです。特に白い花を描くことは難しいそうです。白い朝顔が描かれたブラウンスドルフの絵柄も高額ではありますが、人気のシリーズのひとつです。 |
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マイセン/フラワートップ | |
![]() マイセン/野ばら 忘れな草(ベーシックフラワー) |
![]() マイセン/野ばら 忘れな草(自然主義) |
![]() マイセン/ベーシックフラワー36柄 |
![]() マイセン/すずらん 忘れな草(自然主義) |
洋食器の話 ちょっと変わった洋食器に関するお話をご紹介してゆきます。ユーロクラシクスオリジナル! |
バックナンバー |
VOL.17 文学に登場するマイセン |
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ヨーロッパ初めての硬質磁器を完成されたマイセンは、当時の王侯貴族や裕福な人々の生活で支持、収集されました。ヨーロッパを旅行して宮殿などを散策する機会も多いと思いますが、イタリア/メディチ家、フランス/ヴェルサユ宮殿やルーブル宮などにも、マイセンのコレクションが見られます。フランスセーブル窯を愛したポンパドール夫人のお買い物リストにも、セーブルと並び、マイセン陶磁器が含まれてます。 マイセンの陶磁器はお金持ちだけが持てる特別なもの、という意味合いがあったのでしょう、文学作品の情景描写の中に数多くこの窯の作品が登場しております。ゲーテ、トルストイ、モーパッサン、プルースト、バルザック、ケストナー、フォンテーヌ、ホフマンなど。皆さんお馴染みの本ですが、何気なく読み過ごしていらっしゃるのではないでしょうか? 東ドイツ時代にマイセン磁器の記述がある文学作品を抜粋し、アラビアンナイトなどの絵付けで有名なハインツ・ヴェルナー氏がデッサンを描いているミニ画集が出版されました。今ではかなりレアな本となってしまいましたが、マイセン&文学好きにはたまらない作品です。(ドイツ語ですが。) マイセン/豆本・マヌスクリプト |
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VOL.24 マイセンイヤーズプレートの話(童話シリーズを楽しむ) |
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マイセンのイヤーズプレートは日本で有名なロイヤルコペンハーゲンのものと比較すると格段に生産数が少ないです。そのため、時間が経過すると手に入れるのも難しくなってきてます。 2003年までの6年間は、現代マイセン5人組のハインツ・ヴェルナー氏デザイン(アラビアンナイトも氏のデザインですからご存知の方も多いかとおもいます。)による乗り物シリーズでした。その前の6年間は31cmの大きな平皿(この迫力ある大皿を使ったおすし屋さんがあるそうですが、粋ですね。)のシリーズ。その前1970〜80年代は童話のシリーズでした。グリム童話、アンデルセン童話などですので、日本の方にも馴染みのテーマも多いのですが、詳細は忘れていらっしゃるのでは?(実は私もそうですが。)また、ドイツで有名な話を選んでいるのか、絵を見ただけでは解らないという年もあります。 もともと童話は土地の人たちが語り継いだものを拾い上げ本にしたものですので、版を重ね、時代を経るごとに内容も大きく変わってます。また、私たちに御馴染みになっているものでも、結末が変えられた映画であったりもします。例えば、人魚姫で想像するのは、「ディズニーのリトルマーメイド」というお子さんも多いのではないでしょうか。リトルマーメイドの人魚アニエルは無事結婚して人間になってますが、オリジナルの童話では「この剣で他の王女と結婚しようとしている王子を殺せば、人魚にもどれる。」という人魚のお姉さんたちの言葉空しく、人魚姫は日の出とともに泡になり空気を漂います。 童話の内容がわかれば、1枚のプレートでももっと楽しく鑑賞できるのでは?と、ちょっとづつテーマになったお話のあらすじをご紹介中です。よろしかったら一度ご参照下さい。 このほかにもマイセンの古い文献などにも掲載されている隠れた魅力あるプレート類もご案内してます! |
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マイセンイヤーズの童話をご紹介 マイセンイヤーズプレート |
このほかにも、親指姫、勇敢な仕立屋、ブレーメンの音楽隊、長靴を履いた猫、星の王子様、星の金貨、ピノキオ、ホレおばさん・・・・など多数の童話がイヤーズプレートになってます。その時代を代表するペインターによる絵も魅力的です。 | |
![]() マイセンイヤープレート1982年 蛙の王様 |
![]() マイセンイヤープレート1983年 人魚姫 |
![]() マイセンイヤープレート1974年 いばら姫 |